卒業式の朝、最後まで3年部の先生中心に環境整備やメッセージに勤しんでいました。下のメッセージボードは毎日、学年主任の先生が3年生のフロア階段上り口に書いておいてあるものです。最後のメッセージは、学年のテーマとして「他人のために汗をかける人」についてでした。大きく成長した3年生、また数年後にはさらに成長していることでしょう。
いよいよ卒業式が始まり、卒業生入場です。温かい会場の拍手に包まれ厳かに3年間の想いをかみしめながら・・。そして入場完了。シーンと静まり返った中に背筋が伸びた3年生の姿が眩しく映っています。
卒業証書授与。しっかり練習した成果が出て毅然とした態度で校長先生から想いも一緒に受け取りました。返事と所作、3年間の成果でもありました。
校長式辞。昨日一足早く卒業証書と式辞を受け取った校長先生から、熱い、そして思いやりのこもった内容。卒業生はしっかりと受け止めていました。
生徒会長のTさんの送辞です。
麗らかな春の香りを感じる今日の佳き日に、卒業証書授与式を迎えられた卒業生の皆様、御卒業、おめでとうございます。在校生一同、心からお祝い申し上げます。
「小野で、笑って、泣いて、輝くけん」小野中学校生徒会スローガン通りの先輩方の姿に、私たちは多くのことを学びました。三年間は様々な制限がかかり、思い描いていた学校生活を送ることができないこともあったと思います。しかし、先輩方は、常に前向きに取り組まれ、私たちを良き方向へ引っ張って下さいました。中でも、体育大会と文化祭が強く印象に強く残っています。
体育大会では、応援合戦の振り付けを優しく、丁寧に教えてくださいました。少しでも長く練習時間が確保できるよう、誰よりも早く行動し、素早く的確な指示を出される先輩方の姿は、いつも輝いており、私達の憧れの存在でした。残念ながら、優勝することはできませんでしたが、ブロック解団式での、「賞はもらえなかったけれど、緑風ブロック全員でやり切れたことが、一番の思い出」という言葉を忘れることができません。来年は私たちが、先輩方のように後輩たちを引っ張り、今年度以上に素晴らしい体育大会を、仲間と共に創り上げたいと思います。
文化祭では、「私たちが小野中に残したいもの」というテーマで、熱い劇を見せてくださいました。コロナ禍により失われたたくさんの大切な物。その中の一つが、卒業生の方が培ってきた伝統でした。受け継がれてきた大切な校歌が歌えなくなった現状…私たちの校歌を取り戻されようとする姿に、心の底から感動しました。正直なところ、私にとって校歌は、歌えないことが普通で、「小野中の校歌はすごかった」と先生方に言われても、ピンときませんでした。しかし、劇の最後に先輩方が歌われた瞬間、その考えは一気に変わりました。「これが小野中の校歌なのか」と衝撃を受けました。先輩方が全力で伝えようとされているものを、しっかりと受け止めなければと強く思いました。
また、先輩方と一緒にできた生徒会活動も、かけがえのない時間でした。小野中学校を、より良い学校にしようと積極的に意見を出されている姿を何度も目の当たりにしました。今は、「先輩方のように、自分の意見を自信をもって発言したい」と思いながら、憧れの背中を追い続けています。これからも教わったこと、残していただいたものを大切に、小野中学校を、誇れる母校となるように、努力していきます。
先輩方は、今日を境にそれぞれ新たな道に進んで行かれます。小野中学校で過ごされた日々を力に、輝かしい未来を切り拓いてください。「小野で、笑って、泣いて、輝いた」先輩方が、それぞれの場所で活躍されることを心からお祈りし、送辞といたします。
続いて、卒業生代表Mさんの答辞です。
「雲外蒼天」 どんな試練でも努力して乗り越えた先には明るい未来が待っている、雨雲の上にはいつも青空が広がっている……この言葉は私たちの三年間を表し、これから先、どんな困難や試練が待ち受けようと「自分たちを信じる気持ちを忘れず前進していきなさい」と、優しく背中を押してくれる言葉です。
そんな明るい未来への門出を迎えた私たち一二五名は今日、小野中学校を卒業します。ここで過ごした三年間は本当に充実した日々で、これまで生きてきた十五年間のなかで最も光輝く時間となりました。
世界が大きな闇に包まれて一年ほどたった春。私たちは真新しい制服に身を包み少しの不安と大きな期待を胸に、小野中学校に入学しました。校長先生の「おめでとうございます。」という言葉で、改めて中学生になることを実感し、これから始まる新たな学校生活に心躍ったことを覚えています。
しかし、実際に始まった中学校生活は、想像していたものとは大きくかけ離れたものでした。慣れない生活に加え、多くの制限と常に緊迫した空気は、私たちにとってとても苦しいものでした。学校行事も次々と短縮や延期、中止となりました。そんな厚い雲に覆われた暗い生活の中で、当たり前だと思っていた日々は、とても特別で感謝すべきものだったことを痛感しました。「こんな生活がいつまで続くのだろう。」不安は大きくなるばかりでした。
そんな生活に一筋の光が差し込み始めたのは、二年生の頃でした。だんだんと規制が緩和されていき、一年生の時に行けなかった大洲宿泊研修に行くことができました。しかし、未だ体育大会や文化祭は半日での開催となるなど、元の生活に戻り切っていない部分にもどかしさも感じていました。そんな中行った、連合音楽会。私は実行委員としてリズムや振り付けを、仲間とともに一から考えました。実際に練習が始まった頃は、リズムもばらばらで振り付けもままならず、何度も悩み、苦戦しました。しかし練習を重ねるたびに、みんなの心が音となってそろっていくのを感じました。そして本番では、私たちらしい音楽を市民会館全体に響かせることができました。この連合音楽会は、私たちが中学校に入学してから学年全員でやり遂げられた最初の行事でした。その分、大きな感動と喜びで胸いっぱいになり、少しずつ明るい未来への兆しを感じていました。
そして迎えた最高学年。私たちの生活に闇をもたらした雲が少しずつ薄れ、清々しいほどに蒼い空が徐々に見えてきました。新型コロナウイルスが五類へ引き下げられ、元の生活が戻ってきたことに感じた喜びは本当に大きなものでした。ただ、それとともにすべての行事に「最後の」という言葉が付き、少し寂しさも感じたことを覚えています。
最後の体育大会、私は応援リーダーとしてブロックを支えました。しかし、ブロックを引っ張って行くということは想像していたよりも、はるかに大変でした。そんな時、私はブロックのメンバーに助けられました。後輩たちが懸命に練習している姿や、他の応援リーダーの声かけが、「私も頑張らないと」と自分を鼓舞してくれました。仲間の大切さを、身をもって感じた瞬間でした。一人一人が勇者となり輝いていたあの日々は、忘れられない思い出です。
最後の文化祭、私は有志劇に演者として参加しました。自分で後輩たちに伝統を残したかったからです。新型コロナウイルスの流行による空白の数年間。感染症対策のため、大きな声を控えることに慣れてしまった私たち。それによって、特に小野中の「気迫に溢れる校歌」という伝統が失われてしまったことに気が付きました。「仕方ない」で終わらせてはいけない。私たちが再び小野中の気迫溢れる校歌を取り戻さなくては。そんな思いから校歌を題材に劇を行うことにしました。脚本から本番までの期間を通して、私は「思い」をつなぐことの大切さを学びました。「思い」はとてももろく、すぐに消えてしまいます。そんな「思い」が代々伝わってきたものを、私たちは「伝統」と呼びます。そんな儚いものが長い年月の中で途絶えることなく受け継がれてきたことは、とても素晴らしいことであり、これからもつないでいかなければならないものだと改めて気づかされました。あの劇を通して皆さんに、私たちの思いが少しでも届いていればうれしいです。
小野中で過ごした三年間、様々な困難がありましたが、最高の三年間を過ごすことができました。それは多くの人々の支えがあったからです。
在校生の皆さん。皆さんの目に、私たち三年生はどのように映っていたでしょうか。部活動や委員会など限られた交流の中でも、私たちは皆さんにたくさん支えられました。本当にありがとうございました。私たちが皆さんに残せるものは、決して多くはないかもしれません。ですが、その一つ一つを大切にしながら新たなものを築き、よりよい小野中にしていってください。応援しています。
いつも親身に向き合ってくださった先生方、今までお世話になりました。私たちが道を踏み外すことなく、着実に一歩一歩進んでこられたのは先生方のおかげです。今日まで先生方にかけていただいた言葉はどれも、手厳しくも情に満ちた温かいものでした。時には優しく私たちの手を引いてくださり、時には愛をもって叱ってくださったこと、決して忘れません。本当にありがとうございました。
今日まで私たちを育ててくれたお父さん、お母さん、家族のみんな、ありがとう。飛び上がるような喜びもどうしようもない苛立ちも、全て受け止めてくれてありがとう。私の将来について誰よりも真剣になってくれてありがとう。何よりも、命を授けてくれてありがとう。今までもらったたくさんの数えきれないほどの愛情を、数えきれないほどの感謝の気持ちを胸に、これからも前進していきます。温かく見守ってください。
そして、これまでともに歩んできた三年生のみんな。私がこの小野の地で育って一番良かったと思えることは、みんなに出会えたことです。先の見えない暗闇の中で灯りをともしてくれたのはみんなでした。特に団結力が強く仲の良かったこの学年だからこそ、乗り越えられたこと、やり遂げられたことがたくさんあります。学校行事も、普段の何気ない会話も、時にはぶつかり喧嘩した日々も、すべて何物にも代え難い宝物です。笑顔で卒業しようと話していたけれど、やっぱりまだみんなと一緒にいたい。みんなと一緒に笑いあっていたい。でも、時間は待ってくれないね。この小野中で過ごした尊い三年間の思い出を胸に、これからも進んでいきましょう。
今日、私たち一二五名は、小野中学校を卒業します。今私たちが持っている、卒業切符に書かれた行先はそれぞれ違います。でも、心はいつもこの青空の下でつながっている、そう信じて私たちは次の舞台へと羽ばたいていきます。
素晴らしい出会いの元、たくさん笑って泣いて輝けた小野中学校、支えてくださったすべての方々、本当にありがとうございました。
最後になりましたが、小野中学校の今後の発展を心からお祈りし、答辞といたします。
「校歌」に対する思い、そしてその歌詞に込められた先輩からのメッセージ、これからも大事に歌い繋ぐ!!
コロナ禍での制限のある生活での苦悩、その中で工夫したこと・協力したこと、それによる価値ある体験の積み重ね。制限が徐々に解除され、当たり前の事が当たり前にできる事のありがたさを感じながら成長を重ねた日々。そしてすべての事に「最後の」がつく貴重な3年生での日々・・。友達、後輩、先生、そして保護者への感謝。この数分間の答辞の中に3年間がギュッと凝縮されていました。やはり「青春って密」でした。この答辞は3年生一人一人の今までの想いを涙に変えてくれたよう思えます。
送辞でも答辞でも出てきた校歌。文化祭での3年生有志劇の想いが全校生徒に浸透していました。素晴らしい歌声でした。
最後に記念合唱「正解」 もう明日からはこの小野中学校に登校することはなく、今隣にいる友達と授業を受けることもなくなる・・。自分が経験してきたことが、そしてこれから自分が選んだ道が正解。もし自分の意と反する道に進んだり、場面が出てきたとしても自分で「正解」にすることができるのです。
いよいよ卒業生退場です。美しい涙がたくさんありました。万感の思いを胸に皆に惜しまれながら式場を後にしました。
昨日に引き続き、「涙腺崩壊」しました。卒業生の皆さん、最後にすばらしい背中を見せてくれてありがとうございました。
~卒業式が終わり~
3年生は教室に戻り最後の学活です。担任の先生が毎晩遅くまでパソコンとにらめっこして作成したDVDやスライド、手作りのメッセージ。下級生達が工夫を凝らして作ったメッセージや黒板・・。
そして1,2年生による花道を通っての送り出しです。感動で泣いた顔もしっかり笑顔に戻り保護者と一緒に歩き、送り出されていきます。
3年間本当にお疲れさまでした。君たちの残した足跡は残り、道が作られ下級生がまた歩んでいくことでしょう。
これからは自分が選んだ道を一歩一歩しっかりと歩んでいってくださいね。小野中学校はいつまでも応援しています。
みなさんの未来に幸あれ!! 健康と活躍を祈っています。