始業式では各学年の代表者が「夢の実現に向けて」を堂々と発表しました。3名ともすばらしい内容でした。それぞれの夢の実現に向けて努力を重ね、更に成長してほしいと思います。
〇 1年生代表
僕は将来、何か人の役に立てる仕事がしたいと思っています。しかし、まだはっきりとした夢はありません。だから、夢がある友達や先輩を見ると「すごいな」という気持ちと僕にも夢を持てるのだろうかという不安な気持ちになります。
僕は小学校時代に一つだけ心残りがあります。それは、六年生最後の運動会で応援団長に立候補しなかったことです。僕の兄は六年生のとき、応援団長をしました。それがとても格好よく、輝いて見えました。だから、僕も「六年生になったら応援団長をやろう」と思っていました。しかし、いざそのときがくると「人前に出るのが恥ずかしい」「自分にはできない」という気持ちが大きくなり、立候補を断念しました。
皆さんは「チャンスの神様には前髪しかない」という西洋の格言を知っていますか?チャンスの神様であるカイロスには前髪しかなかったと言われています。顔にかかるのは前髪です。その前髪をチャンスに例えたものです。チャンスというものは、近づいてくる時にはつかめるが、通り過ぎてしまったらもうつかむことができない、ということを表しています。つまり、六年生の僕は、チャンスをつかみ損ねたのです。この経験を踏まえて中学校では「やらずに後悔するなら、やって後悔しよう、挑戦しよう」と決心しました。
僕は人前で話すのが得意ではありません。いつもとても緊張します。今日も足が震えています。でも「やれば良かった」と後悔することのないように、今ここに立っています。
チャンスを確実につかみ取るには、日々の努力も必要だと感じています。中学校に入学してから毎朝少しの時間でも学習するように心掛けています。スポーツでは幼少期から続けている剣道を頑張っています。いまひしひしと感じるのは、「何事にもこつこつと地道に続けることが大事だ」ということです。
今学期はたくさんの行事があります。僕は合唱コンクール実行委員を任されています。クラスのみんなと力を合わせて素晴らしい文化祭にしたいと思っています。また、将来はっきりとした夢が定まったときのために学習や剣道、学校行事など様々なことにチャレンジしチャンスをつかんでいきたいです。
〇 2年生代表
私は、「コウノドリ」というドラマを見て、初めて助産師という仕事があることを知りました。そして私も、妊婦さんや新生児を助ける仕事がしたいと思うようになりました。 私は、母のお腹の中にいた時、子宮内胎児発育遅延という病気になっていました。母は不安で一杯でしたが、産婦人科の先生や助産師の方の支えで、気持ちが和らいだそうです。そのおかげで、私は元気に生まれることができました。その話を聞いた時、私も助産師になって、誰かの支えになりたいと思いました。助産師になるという夢を叶えるために、何が必要かを考えるようになりました。
助産師の資格を取るためには、医療に関わる正しく深い知識が必要です。それと同時に、高いコミュニケーション能力も大切だと思います。妊婦さんの中には、自分の気持ちを言葉に表すことが苦手な方もいるはずです。妊婦さんが抱える不安を取り除いてあげるために、まず明るく話しかけること。そして、相手がどんな気持ちでいるのかを少しでも理解できるように、相手のことを想う気持ちも必要だと思います。これらの力を養うために、二学期に頑張りたいことが二つあります。
一つ目は、何事にも真剣に取り組むことです。二学期は学校行事もたくさんあります。その行事一つ一つに真剣に取り組むことは、将来、妊婦さん一人一人に真剣に向き合うことにつながると思います。
二つ目は、周りの状況や、相手の気持ちを考えて動くことです。自分のことだけでなく、広い視野を持って、仲間のためにも行動できるようにしたいです。
私は、どんなに高い技術を持っていても、優れた人間性がともなわなければだめだということを、部活動を通して学びました。優れた人間性がなければ、誰かの支えになることはできません。夢の実現に向けて人間性を磨き、日々成長していけるよう頑張りたいです。
〇 3年生代表
「将来の夢を叶えるために、自分に足りないものは何か」そう考えたとき、僕は真っ先に「周りに感謝すること」だと思いました。
世界に目を向けると、現在でも学校に行くことすらままならない国や地域があります。その中で自分は、毎日当たり前に学校でみんなと学習できたり、授業を受けたりすることができています。この自分にとって当たり前の環境は、たくさんの人に支えられているということに改めて気が付き、感謝して生きていきたいと思うようになりました。
僕は、男子バレーボール部のキャプテンを務めさせていただきました。キャプテンとしての約二年間、チームをまとめることの難しさや、最後まで責任を果たさなければいけないという使命感、そして達成感などを経験することができました。自分がこのような経験ができたのは、最後まで一緒に戦ってくれた仲間、後輩たち、様々な面でサポートしてくださった保護者の方々や先生たちがいたからです。これまでの経験で学んだことは、これからの自分に生かしてこそ意味があると思います。
僕は2学期に、委員会や学校行事など、様々な場所でリーダーを務めます。リーダーとしてクラスの成長のために頑張ることはもちろんですが、自分自身が仲間や後輩の模範となる行動を積極的に取り、誰からも頼りにされ、信頼される人に成長できる、きっかけにしたいと思います。
最後に、今の積み重ねが未来を作ります。僕には、将来アニメ制作関係の仕事に就くという明確な目標があります。夢の実現に向けて、毎日、昨日の自分に負けない気持ちで何事にも精一杯取り組みます。特に、受験を意識し、勉強にもより一層力を入れていきたいです。そして、自分を支えてくれる人に感謝をし、大切にして生活していきます。
〇 校長式辞
小野中学校の皆さんが、夏休み中大きな事故・問題もなく、2学期を迎えることができたこと、大変嬉しく、ありがたく思います。本当にありがとう。
3名の代表者の「夢の実現に向けて」(将来の)自分づくりが着々と進んでいること、素晴らしい内容でした。夏休み中には、県総体・四国総体、吹奏楽コンクール、各種大会等、小野中生の皆さんがそれぞれの立場で頑張り、活躍してくれました。すべての皆さんの活躍を嬉しく思います。ほんとうにありがとう。
さて、皆さんのその経験をこれからどのように生かせばいいのでしょうか。ひとつの経験から生まれる、意識の変化は、その人のその後の人生に大きく左右することになると考えられます。あの経験があるから今の私の〇〇があると言えるよう意味づけしてもらいたいと思います。
3年生が登校する校門の掲示板に現在、こんな言葉を書いてもらっています。
「目の前のことに集中できる天才がいる。目の前のことにしか集中できないと言ってもいいかもしれない。10数年前のみなさん自身です。だから、集中できない生徒は誰一人いない。」
夏休み中に三歳になる孫が帰省してきました。一緒になって遊びました。お店屋さんごっこです。店員さんになったり、お客さんになったり、一瞬たりともほかのことは考えていません。なり切ります。片言の言葉で身振り手振りも入れて懸命に伝えようとします。一生懸命しか感じられません。だから、ごっこ遊びが成立する。没頭する力が物事を成し遂げる力になるのだと実感しました。この後、〇〇しようね。明日は・・・なんてことは一切考えていない。そんな集中できる時期が皆さんには必ずあった。今に没頭し、未来を予測し、なりたい自分へ近づく戦略を立てることができる今、皆さんの未来は無限大です。
本日から小野中学校の2学期がスタートしました。2学期には、体育大会、新人大会、文化祭等多くの行事があります。その中で、自分ができることを一つ一つ増やして自立できる自分づくりを行ってほしい。自分のやりたいことに没頭し、自ら動くことで皆さんの周りの景色が変わります。2学期に自分の周りの景色を変えてもらうことを願い、式辞といたします。
始業式の後、役員任命式と、市新人大会壮行会を行いました。